2008年10月10日金曜日

iPS細胞 世紀の発見が医療を変える 八代嘉美 平凡社新書

今朝の朝日新聞に「ウィルス使わずiPS細胞 山中教授ら、マウスで作製」という記事が載っていた。iPSを用いた再生医療において、副作用としてのがん化の危険性を減らす手法を開発したことになる。言うまでもなく山中教授の最大の栄光はiPS細胞の発見であるが、それに満足すること無く、実用化の研究にて成果を出し続けるのも褒め讃えるべきことだ。

しかし、そもそもiPS細胞って何なのだろうか?その疑問に答えてくれるのが平凡社新書の「iPS細胞 世紀の発見が医療を変える」である。

可能な限り平易な言葉で分かりやすく、高校の生物学レベルの知識で理解できるように書かれている。皆が知りたい再生医療との関係も触れられており、章立てもよく考えられている。

読んで思ったのは、iPS細胞の再生医療への実用化への道筋は既に見えているということ。もちろん現時点での学術的な課題も触れられているが、山中教授の発見は明らかなブレークスルーであり、残りはマンパワーで解決できることだと感じた。10年後には、医療現場で適用するための技術的な課題はあらかた解決されていると予想する。これは希望的観測だろうか?

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