簡単に言うと、ソフトバンクがイーモバイルから未使用の回線を借りて、PCなどのデータ通信用にソフトバンクユーザー向けに販売すると言う事である。
業界第3位の業者が新進業者と手を組んで、新しいサービスを行うのは一見ユーザーの選択肢が増える事から良いことの様に思える。しかし、MVNO協議会というところが待ったをかけた。ソフトバンクはMVOと呼ばれる、国から電波を貸し与えられた通信業者であるので、与えられた電波の周波数帯域を有効活用すべきだというのだ。一方、ソフトバンクの孫社長はイーモバイルで余っている電波を効率良く使うのだから、イーモバイルからのMVNOは良い事だとコメントしている。
どちらも正しい主張の様に思える。ソフトバンクを支持する主張を幾つかのブログで見かけた。しかし僕はMVNO協議会の意見が正しいと思う。
というのも、MVOは国民の資産で有限である電波を貸し与えられるのだから、あまり儲けを求めず、足下(通信設備)をしっかりと固めた商売をしなくてはいけないと思うのである。言ってみれば公共事業なのだ。
このMVNOの原因は、無線の使われ方が通話からデータ通信へ重心を移してきたにも関わらず、ソフトバンクがHSDPA対応の基地局への投資を抑えてきたこからだと思う。ソフトバンクのHSDPAに関する、これまでの姿勢は次の様に理解している。
この中で、問題点は二つある。
- ユーザーへのアピールのためにエリアばかりを重視し、周波数帯域の有効利用が出来るはずのHSDPAを積極的に投資しなかったこと。もしもソフトバンクが使用している帯域を他の業者へ割り当てていたら、もっと安価で品質の良い通信サービスが提供されていたかもしれない。(その割には当初は帯域が少ないとごねていた)
- ソフトバンクの3Gハイスピードのエリアが狭いにも関わらず、それをユーザーへ周知していない。ソフトバンクはHSDPAのエリアマップを公表していない。
確かにドコモと比べると資金力の差はあるので、過大な投資は出来ないだろう。その割には派手な値引き合戦をしてきたのでは無いか?客を集めたは良いが、売る物が無い状態なのでは無いか?正確な状況が明らかにされずにMVNOでごまかされ、そして結果的に一番困るのはユーザーなのでは無いか?
今回はソフトバンクのユーザー引き止め策に過ぎないだろうから、イーモバイルとの蜜月は次世代(ソフトバンクは3.9G?)までだろう。しかし、MVO同士はくっついては駄目なのだ。そもそも電波を分割して各社に与える意味が無くなる。
他人のふんどしで相撲をとることを考えるよりも、正攻法で戦う気概を見せて欲しい。
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