金がなく、貸してくれるあても無ければ、消費三昧だったアメリカ人でも変わるだろう。
もっとも気をつけなければならないのは、次の一文だと思う。
「借金して消費する時代から脱却し、貯蓄して投資すると同時に国内消費を減らして輸出を増やすべき」文の後半に注意すべきかと思う。
一つ目は貯蓄と投資である。
貯蓄も投資も金融資産の運用であるが、ここでは貯蓄が借金、投資が消費と対に語られている。蓄えが無くても贅沢することを善しとしてきたアメリカの生活を戒め、地に足をつけて身の丈に合った生活を勧める言葉である。
二つ目は輸出という言葉である。大統領選の期間中、各国から保護主義的な考えを持っていると警戒されていたオバマもヒラリーもこの100日間それはあからさまにすることは無かった。そしてここで反保護主義のメッセージとも言える輸出という言葉を使った。
第二次世界大戦後の60年間、多くの国がアメリカへ輸出をし、ドルを得てきた。それにより貧しい国々は糧を得ると共に、ドルと言う基幹通貨の地位を確固としたものにしてきた。オバマの演説は、アメリカだけでは無く、日本のような輸出国の有り様を問うと共に、基幹通貨の不安定な時代でリーダーシップを重視する政治が求められるだろうことを予見している。
ただし、先の4つの言葉、借金、消費、貯蓄、投資のうち、消費と投資が対になっていると記したが、本来消費は生産と対になる言葉であると思う。投資の代わりに生産と語ったら、上記の一文は完結したものになったはずである。投資としたために何かバランスの悪い物になっている。原文でも"invest"である。
"we save and invest, where we consume less at home and send more exports abroad.”オバマが「投資」と言ったのは何故であろうか?
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