2008年10月18日土曜日

ウォールマートモデル 米国

朝日新聞夕刊に「米国の医療モデル」というコラム(10/17付け経済気象台)が掲載されていた。
この中で触れられているのがウォールマートモデル。ウォールマートが、そのスーパーマーケットの片隅に安価に受診可能な24時間営業の診療所を開設している。
アメリカの医療制度はマイケル・ムーアの「シッコ」で描かれるように問題が多い。中でも医療保険の高騰は有名だが、僕は費用の問題だけではなくその継続性が最も問題だと思う。保険加入の資格が無くなるとすぐに保険が未加入になり易いのである。例えばちゃんと会社経由で保険に加入していた会社員が病気になり、治療の後に医療費を請求すると保険料が上がり会社が保険費を払うのをためらったり、悪くすると解雇につながる。こんないろいろな理由により保険未加入となった人々は医療保険加入が前提の病院へは行けなくなる。ウォールマートはこのような未加入の人々をターゲットにして小売業的な手法の医療サービスを提供する。
ウォールマートに限らず、ターゲットなどアメリカ大手小売業は同様の医療サービスを用意し始めている(ソースはこちら)。可哀想な未加入の人々のために、ウォールマートがんばれ!

。。。と言って終わらせることもできるが、はっきり言って自社の従業員の医療保険さえきちんと払わないようなウォールマートがまともな医療を行う訳が無い。儲かるからこんなサービスをやるだけで、医療としては中途半端でレベルも低いのはみえみえ。お腹が痛いからとこの診療所で受診して、診断が胃潰瘍ならばウオールマート内で薬を買って終わりだろうが、手術が必要な病気だった場合、保険未加入者は破産覚悟で病院へ行くか、何もせずほったらかしにするかどちらかとなるのだろう。
なぜ天下の朝日のコラムニストが興味を示したかは不明だが、ウォールマートモデルは、日本で言えばコンビニで薬が売られるようになるような些細なことで、アメリカ人の生活改善には繋がらないと予想する。朝日新聞には、他山の石としてアメリカの医療制度の問題の根源を指摘するとともに、こんな貧しい医療が日本に上陸しないように監視してほしい。

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